循環器科
循環器科
心臓は元々4つのお部屋に分かれており、その間を血液が循環しています。循環は一方通行であり、逆流をしないように各お部屋には逆流防止弁が備わっています。何らかの原因によりその逆流防止弁が上手く働かなくなると血液の逆流、渋滞(うっ滞)を引き起こしてしまいます。重症化すると心臓に直接繋がった肺にもうっ滞が波及し、後述する心原性肺水腫へと移行する恐れがあります。治療には、内科治療により心臓への負担を減らしながら長く動いてもらうようにフォローしていく方法と外科手術により弁を補強する方法があります。内科治療に関しては当院ではアメリカ獣医内科学学会(ACVIM:American College of Veterinary Internal Medicine)が発表するコンセンサスガイドラインに沿った治療を提供しています。外科治療に関しては専門施設での実施となりますので、ご希望の方には専門病院をご紹介致します。
心臓の不調が原因となり肺の中に水が溜まってしまう状態で、命が危険に晒されることも多い重篤な疾患です。本来空気が溜まるはずの肺の中に水が溜まってしまうことで酸素の取り込みや二酸化炭素の排出が上手く行かなくなってしまいます。その結果、呼吸数の異常な増加やチアノーゼなどが認められます。水が溜まるといってもコップに水が溜まるような感じではなく、スポンジの中に水が浸透して水浸しになるイメージとなります。そのため針を刺して吸引するといった方法ではなく、薬を使って排出を促す治療が基本となります。主に使用するのは心臓や肺の中のうっ血を減らす利尿剤や、心臓の動きを補助する強心剤などです。治療への反応が極端に悪い場合や意識が遠くのほどに重篤な場合は救命のため人工呼吸器での補助を行う場合があります。
心臓はそれ自体が心筋という特別な筋肉の塊ですが、その筋肉繊維が異常に肥大することで心臓のポンプ機能に異常をもたらす病気で、猫ちゃんで特に多く発症することが知られています。発症率は高いものの発症初期は無症状であり、このことが早期発見を困難にさせています。主に心臓の超音波検査で診断を行います。血液検査において心臓への負荷を推測することができますので早期発見のためにも健康診断などで検査を行うことをおすすめしています。根本的な解決は難しい病気のため、治療は内科治療がメインとなります。心拍数のコントロール、血栓の予防などを飲み薬によって行います。
厳密には心臓病以外でも発生するのですが、上に挙げた肥大型心筋症の猫ちゃんにおいて併発する可能性があります。心臓から伸びる大動脈は下流に行くほど細くなっていきますが、心臓の中で出現した血の塊(血栓)がその細い部分に詰まってしまう状態です。両足に血液を運ぶために大動脈から分岐した部分で詰まることが多いです。その結果両足への血液の供給が遮断されることで強い痛みが生じ、長時間放置すると壊死が始まります。肺水腫を併発していることも少なくありません。治療は外科的摘出、血栓溶解剤の使用、さらなる血栓の形成を抑制することなどが挙げられます。
STEP1:受付・問診
受付いただきましたら、そのまま待合室にてお待ちください。初診の方は問診票への記入をお願いしております。問診票はホームページよりダウンロードが可能ですので事前に記入いただくことも可能です。 どのような症状がいつごろからあるのか、どんなことが気になっているのか、気になることや聞きたいことをお伝えください。咳や呼吸器状態の異常など、具体的な症状がある場合は事前に撮影いただいた動画などをお見せいただくと診察がスムーズに進みます。
STEP2:身体検査
一般的な触診、聴診などを実施しながら細かい問診を進めていきます。
STEP3:検査
必要と判断した場合には、詳細な検査をご提案させていただきます。循環器診療で多い検査としてはレントゲン、超音波検査、血圧測定、血液検査などです。予想される検査の所要時間によっては一度お預かりし、午後の診察時間でのお迎えになることもあります。 検査は動いてしまうと正確な判定ができないことがあります。動いてしまう子に関しては検査の時間を変える、飼い主様の同席をお願いする、落ち着くお薬を事前に飲んでいただくなどの対策が必要になることがあります。
STEP4:検査結果の説明・治療方針のご相談
検査結果をお伝えし今後の治療方針など、ライフスタイルに合わせてお話しさせていただきます。図や動画を駆使した分かりやすい説明を心がけております。 緊張しやすい子などは先にお迎えだけ来ていただいて、お話のみをオンラインにて実施することも可能です。オンライン対応に関してはこちらをご覧ください(現在準備中です)。
STEP5:お会計・次回の予約
お会計、お薬のお渡しは受付で行います。次回の再診目安もお伝えさせていただきます。
必ずしもお薬が始まる訳ではありません。一言で心臓病と言っても段階があります。まだ早期の段階で発見ができれば継続的な内服薬は不要です。しかし今後お薬が必要な段階に移行していくことがありますので定期的な検査を行ってお薬の開始時期を慎重に判断していく必要があります。
項目 | 金額 |
レントゲン検査 | 4,950円〜 |
心臓超音波検査 | 2,750円〜 |
血液検査(心臓関連) | 6,220円〜 |
血圧測定 | 1,000円〜 |